こんばんみ。
実は1ヶ月ぐらい前、最強のスナップシューター…かもしれないRX0を購入しました。
以前から持ち歩き用のコンパクトなデジタルカメラにフジのX100を使用しているのですが、もっと高感度性能が高くてコンパクトなスナップ用カメラが欲しいなと思っていました。
そこで目をつけたのがSONYのRX0。
アクションカムのような小さなボディには1型センサーが内蔵されており、タフな筐体なのでガンガン使えるのも魅力です。
1型センサーと言うと小さめな印象ですが、評判の良いRX100シリーズと同じと考えるとそこそこ画質も頑張ってくれそうですよね。
動画撮影にも使えそうですし、防水なので今持っているカメラではできないような撮影ができるのではないかと思い、ボーナスで財布が潤っている間に勢いで購入してしまいました。
じゃかじゃん。
小さいカメラなのでパッケージも結構小さい。
中身はこんな感じで、カメラ本体の他に充電用のケーブルとアダプタ、ケーブルプロテクターにストラップ、取扱説明書などが入っています。
こんな小さいカメラなのにケーブルプロテクターがついているあたり、プロユースも考えて開発されていることがわかりますね。
カメラ本体正面。
一般的なカメラのようにレンズが飛び出しておらず、ネジ留めされた頑丈なガラスのプロテクターに覆われています。
飾り気ゼロのデザインが、むしろ業務用っぽくて格好良く見えますね。
ちなみに下の方に「…」みたいな穴が開いていますが、これはステレオのマイクだそうです。
本体背面。
小さなボディながらもちゃんと背面液晶が付いているのもポイント。
設定の変更などは背面にL字に配置された小さなボタン達を操作して行います。
左側にあるフタはmicroSDカードスロットやUSB端子・HDMI端子・マイク端子を保護しています。
このフタは小さいながらもロック機構が付いており、ツマミ(?)を下げながらじゃないと開かないようになっています。フタを外すことでケーブルプロテクターをつけることも可能ですね。
左側面(使用者から見て)はストラップホールとZEISSのロゴがあるのみ。
右側面(使用者から見て)にはバッテリーのフタが設けられています。
防水だけあってここも結構強固な作りになっており、ゴムでキッチリ水が入らないように作られています。
ロックを外すとバネの力でパッと開いてくれるのも気持ちが良いですね。
上部には電源ボタンとシャッターボタンのみ。
普通のカメラのようにでっぱったボタンになってはいませんが、指先の感覚でわかるので数回使っているうちに見なくても電源オン→撮影できるようになりましたよ。
底面はこんな感じ。
さすがSONY、センサーの真下に三脚穴が設けられています。
アクションカムだと結構三脚穴が無いものもあるようですが、これならそのまま設置できて便利ですね。ゴリラポッドなどにつければ場所を選ばず撮影できそうです。
電源をつけた状態。
こんなに小さいのに、ちゃんとデジタルカメラらしいUIが表示されており、ライブビュー撮影ができます。
モードの選択画面。
これもSONYユーザーならお馴染みな画面ですね。
普通のコンデジやミラーレス機のようにダイアルでの選択ではないためちょっと面倒に感じます。
設定画面も完全にSONYのコンデジやミラーレスと一緒。
α7などを使っている自分にとっては項目を探しやすくていいですね。
まぁCanonとかのほうが設定画面は見やすいんですがね…。
バッテリーの持ちが悪いと言われている機種なので、ポイントで予備のバッテリーも購入。
バッテリー容量はわずか700mAhなので、近年の一般的なコンデジやスマホと比べると少ないですよね。
サイズ感はこんな感じでかなりコンパクトです。
購入後、早速ぶらぶらしながら使ってみたのでイマイチな作例でも…。
上記写真は全部撮って出しで色もそのままです。
いや、本当にいい写真ないですね…。
実際にRX0を使ってみて思った良い点と悪い点は以下の通りです。
RX0の良い点
・コンパクトである
バッグどころかポケットに入る驚きのコンパクトさ。
シャツの胸ポケットに入れておくと、サッと使えてかなりスピーディーです。
また持ち歩きに便利なだけでなく、周囲に気づかれないうちに撮影できてしまうのもポイント。
・レンズキャップがいらない
キャップが無い作りなので、付けたり外したりで時間がかかったり、失くしてしまってガッカリすることがありません。
またコンデジによくある、のんきに開く電動レンズバリアに待たされることもありません。
レンズの前面にあるガラスは交換も可能なので、簡単に言うと保護フィルターがもともと付いているようなものです。
そのまま容赦なくポケットに突っ込んでOKですし、地味に撥水性に優れており水滴などが残りにくいのも注目すべきポイントです。
・防水である
よくあるような「防滴に配慮した作り」ではなく、「防水」なので安心して水に突っ込んで撮影できます。
一眼レフやミラーレス一眼を水中で使えるようにする本格的な防水ハウジングは、ボディがもう1台変えてしまうほど高価で、ちょっと水中撮影をしてみたい程度の気持ちではとても手が出せる代物ではありません。
このRX0なら素の状態でも水深10mまでの防水機能を備えているので気軽に試すことができますし、専用の純正ハウジングを装着すれば水深100mまで耐えられるそうです。
・堅牢である
2mの落下耐性と200kgの耐荷重を備える堅牢性は、個人の使用範囲内で物理的に壊れることはなかなか無いでしょう。
コンパクトカメラは小型化のために沈胴式のレンズになっている物が多いですが、やはりボディの外側に可動部があるとそこから壊れることが多いように思います。
このカメラはボディの外に動く仕掛けが全く無いので、そういった点でも壊れる心配の少ないカメラだと思います。
・設定できる項目がαとそっくりなのでわかりやすい
ファンクションメニューや設定画面のレイアウトは他のSONY製カメラ(例えばα7やRX100など)と共通のものになっているので、SONYユーザーにとってはかなりわかりやすい作りになっています。
RX0の悪い点
・動画撮影中のオートフォーカスはできない
動画主軸のカメラかと思いきや、動画撮影中のオートフォーカスはできません。
動画モードにするとプリセットフォーカスかマニュアルフォーカスの2択しか選べなくなります。
プリセットフォーカスは要するにゾーンフォーカスのようなもので、基本的に1m〜無限遠の範囲でピントが合うようになっています。1mより手前の物を撮る場合はボタンを押してNEARモードに切り替えることで、50cm〜1mの範囲にピントが合うようにできます。
1型センサーでF4なので被写界深度は深いんですが、オートフォーカスが全くできないのは正直うーん…な感じ。
小さくて体から離して使えるカメラだからこそ、オートフォーカスはあって欲しかった。
・オーバーヒートして動画撮影が中断される
エアコンの効いた室内で動画を撮影してみたのですが、オーバーヒートして20分程度で撮影が止まっていました。
一応スペック的にはバッテリーが続く限り30分以上の連続撮影もできると思うのですが、涼しい部屋で使ってもオーバーヒートしてしまうのかと思うと結構ガッカリ。
底面がべったりくっつく大きな雲台などにつけると放熱が妨げられて良くないという話は知っていたのですが、小さめのゴリラポッドにつけていたので、底面を全部覆ってしまうような感じではなかったのですがそれでもダメなんですね…。
・4K動画の撮影には外部レコーダーが必要
RX0単体で録画できるのはフルHDまでになっており、4Kの録画には外部レコーダーが必要な仕様になっています。
イメージセンサー的には対応しているものの、発熱の問題があるのでフルHDに抑えている、ということのよう。
一眼レフ・ミラーレス一眼の場合は、センサーが大きいので画質も良い・緻密なピント合わせができる・ボディとレンズで元々それなりの大きさがあるので外部レコーダーが追加されても我慢できるという考えがあるのですが、このカメラの場合は元のボディが小さいので外部レコーダーを付けてしまうとせっかくの携帯性が台無しになっていまいます。
かといって画質が特別良いわけでもなく、ピント合わせもボタンでポチポチしなきゃいけないので、わざわざこれで4Kを撮ろうとする意味が無いというか…。今のiPhoneなら普通に単体で4K動画撮れちゃうんですよね…。
・暗所性能が良くない
ネットでの前評判だと暗所性能が良いと言ってる人と悪いと言ってる人で真っ二つに別れている印象。
でも1型センサーだからスマホよりかは良いのかな?と期待していたのですが、正直なところどっこいどっこいかなと…。
・意外と手ブレする
よくシャッタースピードを焦点距離分の1以上に設定すれば手持ちでもいける(例えば50mmのレンズならSSを1/50以上にする)という話がありますが、普通のカメラの場合は自分もそうだと思っています。
じゃあこのカメラは35mm判換算で24mmの画角なので、シャッタースピード1/25でも大丈夫かと言うと…全然大丈夫じゃないです。
小さくて軽く持ちにくいボディのためか、それほど遅くないシャッタースピードでも結構手ブレしてしまいます。
・水平が取りにくい
ボディが小さいことや液晶が小さいことなどが要因だと思うのですが、水平が取りにくいです。
液晶に水準器が出ると良いのですが、残念ながらこの機種では出せない模様。
広角レンズなのでロールの傾きだけでなく、被写体に対して水平かという問題も出やすいです。
・ボタン操作がしにくい
メニューなどの操作に使うボタンがかなり小さく、押しづらいです。
またボタンが全部同じような大きさなので、どのボタンに指がのっているか指先の感覚だけで判断するのが難しく感じます。
・ストラップが操作する人から見て左側にくる
カメラは基本的に右手で使うものなので、右手首にストラップを通して使えると良いのですが、このカメラはストラップホールが操作する人から見て左側にあります。
まぁ使えないこともないのですが、ぶらぶらさせた状態からカメラを構える際、一度左手でカメラを正しい向きに直した後右手に持たせてあげないといけない不思議な作りになっています。
自分が思う良いところ・悪いところはこんな感じでした。
このカメラをスナップ用に買おうとしてる人がいるなら、正直やめといたほうがいいんじゃないかなと思います…。
自分の腕のせいもありますが、このカメラを使っていて「これは!」と思える写真は1枚も撮れませんでした…。
ファインダーを覗いてしっかり狙って撮ることが多い自分にとって、このカメラは合わなかったようです。
防水性能を生かしてガンガン濡らして使いたい、バレットタイム的な映像を撮るために複数並べて撮影する、など特殊な用途に特化した使い方をしたいのであればうってつけだと思うのですが、普通の人が普通に写真を撮ったり動画を撮ったりする用途だとあんまりスマホと変わらない気すらしてきます。
逆にこういう使い方したら面白いんじゃないかな?と思ったのがこれ。
フィルムカメラのシューに三脚ネジを付けるアクセサリーを付けて、そこにマウントしたら面白いなと。
一応公式にα7などの上にマウントしてシャッターを連動させるケーブルも出ていますが、α7だとレンズが大きいので下のほうに写り込んでしまうんですよね。
フィルムカメラだったらレンズが比較的小さいので写り込みません。
フィルムカメラのほうには50mmのレンズを付けておいて、急に広角で撮りたくなったらRX0で!みたいな。
普通のカメラ2台体制と比べてゴチャゴチャしないですし、スマートなのではと思ったり思わなかったり。
でも正直なところ、この値段出すならもう少し頑張ってX100FかGRIIを買うべきだったなと思いました…。
と言うわけで、さよならRX0…(売りました)
追記
冒頭のRX0が砂に埋まっている写真は片瀬海岸で撮りました。
Super-Takumar 55mm F1.8で撮ったんですが良い雰囲気ですよね。