カメラ・撮影機材

Leica Qを購入した話。

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こんばんみ

ライカのフルサイズコンデジ「Leica Q」を購入しました。


今年の頭に同じくフルサイズコンデジであるRX1RIIを購入したばかりなのになんでまた似たような機種を購入したのかというと、RX1RIIがあまり使いやすくなかったからです…。

というのも性能は良いんですが、握りづらいのであまり身が入らなかったというか…。
手振れしやすいし、書き込み遅いし、バッテリー持ち悪すぎるし…なんだかなぁ、という感じで。
α7RIIIは大変気に入って使っているので、それのコンデジ版って感じで使えるかな、と思っていたんですが、なんか違ったんですよね。

でもやっぱり一台だけもってぶらぶら撮り歩く用のカメラは欲しい!ってことで目をつけたのがLeica Qだったわけです。

Leica Qは28mm単焦点のコンデジなわけですが、同じ画角のコンデジならGRIIIを持っています。
ただGRIIIは28mmをあまり使う機会がなく、クロップすることが多かったのでいっそのこと…ということでRX1RIIを購入した過去があります。GRIIIでクロップするとあまりボケませんし、レンズ交換式カメラの代わりに使えるという感じではなかったんですよね。

しかしGRIIIはAPS-CでF2.8なのに対し、Leica QはフルサイズでF1.7です。これならクロップしてもボケを活かした撮影もできて、まさに一台でなんでも撮れるんじゃなかろうか…?と考えるとムクムクと物欲が鎌首をもたげてきました。

ちょうどそのタイミングでボーナスも出たのでえぇい買ってしまえ!ってことで購入してみました。

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これが今回購入したLeica Q。
現行機種はLeica Q2なのですが、単純にQのほうが安く手に入るということや、Qのほうが軽いという点があったので型落ちのQを選びました。

単焦点コンデジという特殊なカメラのため、高価なQ2を買って後悔しないかという心配があって踏ん切りがつかなかったという点もありますね…。
実際RX1RIIにはしっくりこなかったわけですし。

さて話を戻しますが、このカメラは28mm単焦点のレンズとフルサイズセンサーのボディが一体となったいわゆる高級コンデジと呼ばれるジャンルの機種です。
Leicaのフルサイズの機種と言えばM型が代表的ですが、サイズ感的にはそれとほぼ一緒です。(若干幅が狭いですが)
つまりコンデジとしてはかなり大柄です。

M型との違いとしては、オートフォーカスを搭載していること、光学式のレンジファインダーではなくEVFを搭載していることが大きな違いかと思います。

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背面には3インチの大きな液晶とファインダーを搭載。
液晶の比率は3:2になっているので、ライブビューや撮影した写真が画面いっぱいに表示されて見やすいです。
(α7RIIIも3インチなんですが、比率が3:2じゃないんで上下に黒帯が出て写真が小さく見えるんですよね…)

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ファインダーは前述の通り光学式のファインダーではなく、EVFを搭載。

解像度はそこそこ高く、拡大表示の助けもあって正確なマニュアルフォーカスが可能です。
暗い環境だと処理が厳しいらしくフレームレートが低下しているのを感じますが、この機種に限らずなので仕方ありません。
そもそも暗いと光学ファインダーの場合もっと見辛いですしね。

ちなみに色はシアンに偏っていて、コントラストも背面のモニターと比べると低いです。
なので色の確認は背面モニターを見たほうがいいでしょう。

あと何故かファインダーの中が明るくて部屋のようになっているんですが、この仕様はなんなんでしょうね…?
他社のEVFって基本的に真っ暗な中にモニターが浮かび上がっているような感じだと思うんですが…。

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背面の右側にはフォーカスポイントの操作などに使える十字キーが。
中央を押すとディスプレイの表示を変更できます。

M型にない特徴として、窪んだ形状のサムレストが存在します。
ここに親指を置くことで、完璧とは言いませんがだいぶホールド感が良いですね。

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サムレストのそばにひっそりとある小さなボタンはクロップボタン。
押すたびに画角を28mm→35mm→50mmに切り替えることができます。
後述しますが、個人的にはこれがLeica Qの目玉機能だと思っています。

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軍艦部の操作系。

レリーズボタンはCONTAX RTS系を思わす非常に浅いストローク。
でもハッキリとしたクリック感があるので、どこで動作するかはわかりやすいです。
結構好きな押し心地。
レリーズケーブルが使えないのだけが残念ポイントですね。

右端の何も書いてないダイアルは露出補正ダイアルです。
ファインダーを覗いたままちゃちゃっと露出を変えられるので、EVFとの親和性が高いです。

それから、シャッタースピードダイアルが後ろ側に位置しているのも地味に良いポイント。
ボディのやや前寄りにダイアルがあるM型と比べると、ファインダーを覗いたまま操作しようとした時に動かしやすくなっています。

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フロントにはもちろん赤バッジがありますが、軍艦部にもひっそりと銘がプリントされています。
バルナック型やM3の軍艦部の銘のようなクラシカルな感じも良いですが、この慎ましい感じもミニマルで好きです。

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細かい設定を行うボタンはモニターの左側に集約されています。
メニューなどもLeica Qより前に出ているTYP240と比べると若干わかりやすくなっている気がします。

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レンズはみんなの憧れ、ズミルックスの名を冠しています。

コンデジのレンズとしてはかなり大きなレンズですが、スペックと操作性を考えるとよくまとまっているのかもしれません。

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レンズの先端から、絞りリング・フォーカスリング・マクロモードの切り替えリングが配置されています。

コンデジでは珍しく、フォーカスがバイワイヤではないため、マニュアルフォーカスも操作しやすく、距離指標も書かれているのでフォーカス固定でのスナップにも最適です。
(ただしMFは必ず無限遠から始まってしまうため、AFで合わせた後に手動で微調整…のような使い方はできません)

マクロモード時には距離指標も変化。
何センチまで寄れるのかわかりやすくて便利です。

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フォーカスリングの下側にはMマウントレンズにあるような指掛けが付いています。
指かけについている小さなボタンを押し込むことでリングのロックが解除され、AF・MFの切り替えが可能。
ファインダーを覗いたままでも切り替えしやすいです。

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フードはスクエアフードが標準で付属します。

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取り付けの際はまず元々付いているリングを回して外し…

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代わりにフードをねじ込みます。
ねじ込み式なので位置合わせが必要なのかな?と思うかもしれませんが、回しきるとぴったり良い位置で止まるように作られています。
作りの良さにちょっと感動。

ただこれ、落としてフードが歪んだら外れなくなるんじゃないかとちょっと心配ですね。

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フードを付けるとこんな感じ。
なかなか端正なルックスですね。

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ちなみにフード有りでも無しでもレンズキャップは付けられます。

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良く考えられていますよね。

前買ったコシナのNOKTON 35mm F1.2 Asphericalはフードを外すとキャップが付きませんでしたからね…(笑)

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手元にあるRX1RIIとも比較してみました。

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正面から見るとこんな感じ。
一回りぐらいLeica Qがデカいです。

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背面側。
ファインダーの分Leica Qがノッポなのがわかります。

RX1RIIは右側の狭い空間にボタンが多いため親指の置き場が窮屈でしたが、Leica Qはサムレスト付近がガランとしているのでゆとりがありますね。

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上から見た様子。
Leica Qはレンズが片側に寄っていますが、これのおかげで握るスペースが広くて持ちやすいです。


それからバッテリーの持ちはあまり良くないとの事前情報だったので、ついでに購入しておきました。

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バッテリーはライカ販売の物ではなく、試しにSIGMAから出ているBP-51という物を買ってみました。

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というのも、ライカのBP-DC12とPanasonicのDMW-BLC12とSIGMAのBP-51は全く同じ形状・出力で互換性があるんだそう。

ライカは以前からPanasonicのOEMでコンデジを出していたり、最近ではこの3社でLマウントアライアンスなんてものも正式に宣言していたりしますよね。
この辺の関係から考えるに、このバッテリーもOEMで、3社とも同じ工場で作ってガワの印刷だけ変えてあるんじゃないかな?と思ったりします。

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ちなみにバッテリーには(たぶん)PUレザーのケース付き。
かわいいですね。

余ってるレザーのストラップがあったのですが、モダンなLeica Qには現代的なストラップのほうが合うかな?と思ってロープ風のストラップもポイントで買いました。

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ARTISAN&ARTISTのピンドットコードストラップと言う商品です。

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ライカのロゴに合わせて赤にしておきました。

以前別のカメラ用に購入した同メーカーの物はシルク製でしたが、こちらはポリエステルのようですね。

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ボディが黒い塊なので、赤が良いアクセントになるかなと。

紐は比較的柔らかいので手に巻いたりして使いやすい印象。
根元のレザーの部分がギシギシしますが、使ってるうちにここも柔らかくなるかな?


まだあまり持ち出せていないので撮った写真は少ないのですが、いくつか貼っておきます。

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ちなみに写真はrawにAdobe Colorのプロファイルを当てただけのものと、jpeg撮って出しが混ざっています。

なぜ撮って出しじゃないかと言いますと、このカメラはTYP240と似たようなテイストに仕上がる傾向があるため、合うシーンと合わないシーンがかなり別れるためです。

日中の鮮やかな景色を撮ると彩度が低すぎて見た通りにならないことがあるように思います。
そういう時のためにjpeg+rawで撮って、納得いかないときはrawの編集でフォローしたほうが良さそうですね。


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以下、実際にLeica Qを触ってみて感じた良いポイント・悪いポイントをまとめてみました。

Leica Qの良いポイント

・画角の切り替えが便利
クロップボタンを押すだけでスムーズに画角の切り替えができ、ズームレンズを付けているかのような感覚で軽快に撮影できます。
ボタンの位置も片手で操作しやすくで良いですね。

クロップ機能自体はRICOH GRなどにもあるのですが、Leica Qの場合rawデータにクロップの情報を付加するだけで、その外側の部分もちゃんとデータに残っているのがミソです。
なのでLightroomなどで編集する際、後から画角を広げたり、画角を狭くすることなく傾きを調節したりするといった編集が可能になっています。

当然35mm・50mmにクロップすると解像度は下がってしまいますが、個人的には50mmでも四切りにプリントするぐらいなら大丈夫かな…?と思います。

・マクロ撮影が可能
鏡筒にあるリングを操作することで、最短17cmまで寄れるマクロモードに切り替えることができます。
クロップと組み合わせることで、かなり大胆なクローズアップが可能になります。
マニュアルフォーカスがしやすいカメラなので、マクロ撮影時も細かなピント調節がしやすいのも便利だと感じました。
このクロップとマクロのお陰で、とりあえずこの1台さえあれば旅の撮影は事足りるのではないでしょうか。

・レンズが良い
搭載されているズミルックス 28mm F1.7 ASPHは驚くほど収差が少ないです。
広角ですが歪みはほとんどなく、開放でもほとんど周辺減光が見られません。
また色収差も見当たりませんし、ボケに関しても違和感のない非常に滑らかなものになっています。

綺麗に写りすぎて退屈に感じて手放してしまったと言う知人もいたのですが、確かに捉え方によってはそうなのかも。
ただ、1台だけ携えて使いたいと考えている自分としては、変なクセがあると困るのでこのレンズはとても満足度が高いです。

・片手での撮影も現実的
握りやすいデザインと手振れ補正のお陰で、そこそこ重いですが片手で無理なく撮影ができます。
クロップボタンや十字キーなど、撮影に関わるボタンが右手で操作できる部分に集中しているのも優れたポイントだと思います。

・AFもそこそこ早い
単焦点コンデジはAFが遅めだったり心許ない機種が多いですが、この機種に関してはなかなか良いです。(もちろん最新のミラーレス機ほどではありませんが)
仮に迷ってしまったとしても、すぐMFに切り替えてフォローできるのも便利。

多少薄暗くても結構頑張って合わせてくれます。
一応AF補助光のライトも付いていますが、かなり暗くないと補助光は使用しないようになっている模様。
やたら光ると目障りなので、使わないよう粘ってくれるのはありがたいです。

ちなみに、コンティニュアスだとフォーカスがガタガタ前後する感じになることがあるので、タイミングによっては外した写真が撮れてしまうことも。
動く被写体は連写で何枚か撮っておいたほうが安心ですね。

Leica Qの悪いポイント

・結構かさばる
レンズが大きく、ボディの背も高いので普段使いのバッグに入れて持ち歩こうとすると結構かさばります。
かといって大きなカメラバッグを持ち出すのも…。

・割り当てられるボタンがない
国産ミラーレス機のように自由に割り当てられるボタンがないため、頻繁に変える設定をワンプッシュで切り替えたい!ということはほぼできません。
一応ユーザープロファイルという設定で撮影設定を保存しておけるので、それで何とかする感じでしょうか。

・リモートが面倒
三脚に立てて撮影するような時、リモートでシャッターを切りたいと思うことはあると思いますが、このカメラに専用リモコンはなく、レリーズ穴がないためケーブルレリーズも使用できません。
スマホアプリを使用することでリモートでシャッターを切れますが、接続に少し手間がかかるのでやはり面倒に感じます。

・ソフトウェアがやや不安定
設定画面で色々といじく回しているとフリーズしてしまうことが稀にありました。
フリーズしてしまうと電源スイッチは効かなくなってしまうため、バッテリーを抜いて強制的にオフにする必要があります。
撮影中は今のところおかしな動作をすることはないのでまぁいいんですが、やや不安を感じる点ではありますね。

・パノラマ機能は実用的ではない
この機種はパノラマ機能を搭載して、パンしながら撮影することで広い範囲を1枚の写真に合成してくれます。
ただ、このパンしながら撮影する際に、もっと速く振れだの遅くしろだの色々エラーが出て非常に面倒です。iPhoneのパノラマ機能だと遅く振っても文句言われないんですがね。
ちゃんとしたパノラマを撮りたいなら、素直に三脚を立てて撮影しPhotoshopで合成したほうがいいと思います。


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正直なところ買う前は半信半疑と言いますか、28mm単焦点のカメラなんて買って後悔しないか心配でしたが、実際使ってみたらその不安は払拭されました。

握った感覚や操作性も良いし、画質も十分。
クロップでサクサク画角を切り替えて撮れるも良いです。

レンズ交換式のカメラも悪くないんですが、どうも邪念が入るんですよね。
今レンズを交換するのは面倒だから撮るのを止めておこうとか、あのレンズ持ってくればよかったとか、寄れないレンズだから撮らなくていいかとか。

でもこのカメラならそういうことを一切考える必要がありません。
もちろん望遠は無理ですが、スナップ用途であれば一通りのやりたいことが一台で完結するでしょう。

純粋に撮ることだけを楽しみたい人には、最良の相棒になってくれるんじゃないかと思いますよ。

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やましん
・神奈川在住
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α7RIII・CONTAX G2・BESSA R2Mなどのカメラを愛用しています。
忙しくてやっていませんがPCの洋ゲーも好き。

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