こんばんみ。
ついに憧れのハッセルブラッドVシステムに手を出しました。
少し前の話になりますが、銀座松屋で行われた中古カメラフェアにハッセルを探しに行ってきました。
中判フィルムカメラだと以前Bronica S2やMamiya RB67 Pro Sを所持していましたが、Bronica S2はクランクが折れてしまうんじゃないかってぐらいチャージが固いので不安になって使いづらかったり、RB67はデカくて重くて持ち運ぶ気力がなくなってしまったり…。
結局2台とも売却してしまったんですよね。
スムーズに操作できて、しかもコンパクトで軽い。
レンズ交換ができて、フィルムバックも交換できると扱いやすいよなーなんて色々考えていたら、行きついたのはハッセルだったわけです。
そんなわけで会場内をグルグル捜索していたところ、前々から気になっていたけど実物を見たことなかったRolleiflex 6000シリーズが複数並べられているのを発見。
このRolleiflex 6000シリーズ、名前的に二眼レフかな?と思うかもしれませんが、ハッセルのようにウエストレベルが基本の一眼レフです。ただし中判フィルムカメラとしては結構後期に作られたもので、モデルによりますがAFやAEに対応しているという優れモノ。レンズのコーティングなども近代的なものになっているので写りも素晴らしいとのウワサです。
店員さんに声を掛けて見せてもらうも、店員さんは電子制御のカメラでもう修理もやってないのでこれから買うのは辞めたほうがいいとのこと。6×6の一眼レフが欲しいならハッセルのほうがいいよと。
うーむ…やっぱりそうか…。
店員さんにこっちこっちとハッセル系が収められたショーケースを見せられると、ピッカピカの一台のハッセルが目につきました。
そう、それが今回購入した「Hasselblad 503CXi」です。
ちなみにレンズは「Planar C 80mm F2.8」が付いていました。
ショーケースから出して触らせてもらいましたが、もう本当にピカピカ。
空シャッターを切ってクランクを回したり、ファインダーを覗いたり…色々いじってみましたが、どこもかしこもとにかくスムーズ。そしてファインダーも明るい。
これなら一生使っていけるんじゃないか…!?
お値段はボディとレンズのセットで約18万。
Vシステムでも古い機種を探せば絶対もっと安く買えますが…このピカピカを見た後、ボロいのを買って納得できるだろうか…?
結局自分は財布からお金を立て替えてくれるクレイジーなカード、略してクレカでお代を支払い、会場を後にしました。
この503CXiは、500C/Mなどで有名なVシステムの中では比較的新しいモデルで、1994年に発売が開始しています。だからこんなに綺麗なんですね。
大きな特徴としてはTTLストロボに対応していることや、CWワインダーという電動ワインダー兼グリップになるオプションパーツを装着可能な点でしょうか。
レンズやマガジン(フィルムバック)、ファインダーなどに関してはもちろん他モデルと互換性があります。
クランクを広げた状態。
古い機種と違い、クランクを収納した状態でもツマミのような形状になっているので回しやすいです。
クランクは取り外し可能で、前述したCWワインダーに付け替えることで連写できるようになったり、露出計を内蔵したノブに交換することもできます。
サイドから見た様子。
無駄のないデザインが素晴らしいです。
サイズも6×6のフォーマットに対応できる、ギリギリの大きさに切り詰められている感じがします。
余談ですが、ピカピカすぎて撮影しているとシルバーの部分に自分の肌色が写るんですよ。
ブログ用なのでまぁいいかと思いましたが、ちゃんと撮るなら穴の開いたレフ板からレンズをにょっきり出すアレ、買う必要がありますね。
フロントに付いたハッセルブラッドの銘。
古いモデルとデザインは変わっていないんですが、全く古い感じがしませんよね。
両サイドにはモデル名の銘が付いています。
この★マークって何なんでしょう?
ファインダーを開いた状態。
中判の一眼レフによくあるウエストレベルファインダーで、蓋を引き上げるとバシャっとバネの力で展開します。
このウエストレベルファインダー、被写体にガンを飛ばさないので威圧感が少ないというのもありますが、個人的にはプリズムファインダーと比べて軽量なのも優れたポイントだと思います。フォーマットが大きければ内蔵するペンタプリズムも大きくなりますから、それだけ重く大きくなりますからね。
逆に欠点もあって、自分の顔より低い位置にないと覗けないため高い位置で撮影しにくくなります。
また、645マガジンなど正方形じゃないフォーマットで撮影する際、横位置で撮ろうとするととんでもなく構えづらくなるというデメリットもあります。
あまり詳しくないのでわかりませんが、ファインダーの開閉機構に関しても500Cなどの初期のモデルとは仕組みが異なり、開閉しやすくなっているんだとか。
ファインダーはマガジンを外した状態で、ずる~っと後方に引っ張ると簡単に外れます。
外した状態。
標準のファインダーの他にも、アイレベルで使えるプリズムファインダーも数種類発売されています。
プリズムファインダーのほうが外光が入りにくくて見やすいと思いますが、それ以外にも露出計が内蔵されているタイプもあるので、ゆくゆくは撮影に応じて使い分けられるようプリズムファインダーにも手を出したいところ。
上の写真でフォーカシングスクリーンが見えていますが、もちろんこれも交換可能です。
購入した個体にはおそらく標準仕様の全面マットのものが付いていました。
底面の三脚穴など。
この辺りも従来機と違う作りになっているらしいです。
細ネジの三脚穴が複数付いているので、バランスが良くなるように取り付けられるということでしょうかね。
パカっと分解した図。
付属していたマガジンはA12という120フィルム用のスタンダードなものです。12枚撮り。
A12でも年代によって作りが若干違うらしいのですが、新しいタイプなのかな?
マガジンはこんな感じに分解できます。
フィルムをセットする上で特に変わった手順はありません。
マガジンをボディから外さなくてもフィルム交換できるらしいのですが、ボディに付けたままフィルムをセットする部分を外してもカウンターが上手くリセットされない…?
詳しい人に教えてもらわないとちょっとわかりませんでした。
付属していたレンズ、Planar C 80mm F2.8。
T*マークとレンズの反射の色が、ツァイスのコーティングであることを物語っています。
中判の場合、35mm判と比べて焦点距離を半分にしたぐらいの画角になります。
80mmのレンズの場合画角は40mmぐらいのイメージ。ただ縦横比が違うのでファインダーを覗くと結構印象が異なりますね。
「C」と付いているのは、デッケル社製のシンクロコンパーというレンズシャッターを使用しているということだそう(コンパーのC)。
Cが付くものはVシステムの中では古い世代のレンズで、その後「CF」「CFi」などに変わっていきます。
レンズの表示など。
レンズは古い物なので文字がちょっと黄ばんでいますね…。
でも動作はスムーズなので目をつぶりましょう。
Cレンズの特徴として、シャッタースピードダイアルと絞りダイアルが一緒に回るようになっています。露出を変えずに被写界深度だけ変えられるということです。
別々に操作したいときは、シルバーのギザギザがついたボタン(?)のようなものを押しながらダイアルを操作する必要があります。
一長一短な仕組みではありますね。
あとちょうどここに、先ほど話題に挙げたシンクロコンパーの文字が刻まれていますね。
ちなみにそれ以降の世代のレンズではプロンターシャッターというものを使っているんだとか。
現時点でフィルム2本ほど撮影してみましたが、まだ現像から返ってきていないので実際に撮れた写真についてはまた後日別の記事で掲載できたらなと。
実際使ってみた感想としては、サクサク動いて本当に使いやすいです。
まだファインダーの動きが左右逆になるのが慣れませんが、じきに慣れるでしょう。
ハッセル特有のお作法(巻き上げずにレンズやマガジンを外してはいけない)は割とすぐ慣れました。
重さに関してもF2.8通しの重いズームレンズを付けたフルサイズ一眼レフぐらいのイメージなので、全然アリです。
80mmのレンズならあまりかさばらないので、バッグにも収まりが良いですね。
フィルムにかなりお金がかかるので、これを持って散歩して日常的にパシャパシャ…とはいきませんが、ここぞという撮影では存分に活躍してくれそうです。
新型コロナウイルスの影響で今月は休みを多く取るように会社に言われているので、その休みを活用にてどこか人の少ない場所で色々試し撮りしてみましょうかね。
ではでは。