こんばんみ。
先日RX1RIIを購入しました。
昨年にGRIIIを購入し、しばらく使っていたのですが気になることが一つ。
このカメラは換算28mm相当の画角のカメラですが、撮った写真のほとんどは35mmか50mm相当にクロップして撮影していました。
それだったらはじめから35mmのカメラで撮ったほうが画質も良いし背景ボケも出した使い方ができるのでは…?と思い、コンデジを買い替えることにしました。
35mm以上の単焦点コンデジと言えば
・FUJIFILM X100シリーズ(換算35mm)
・SONY RX1シリーズ(35mm)
・Zeiss ZX1(35mm/未発売)
・SIGMA dp2 Quattro(換算45mm)
・SIGMA dp3 Quattro(換算75mm)
あたりが代表的でしょうか。
X100シリーズはちょうどX100Vが出たばかりなので良い時期ではありますが、X100Fで不具合が出た上に保証で無償修理してくれなかった過去があるのであまり気は進みません…。
ZX1は未発売ですし、かなり高価になりそうなのでこれも無しかなと。
dp Quattro系は画角的にはすごく好みですが、Foveonなので扱いやすさ的にどうかなーという点と、割と大きいのが気になります。
となると残るはRX1シリーズ一択。
ということで早速ポチりました。
(2か月ぐらい前の話ですが…)
購入したのは中古の「SONY RX1RII」です。
このカメラはフルサイズセンサーを搭載したコンデジRX1シリーズの中では3つめにリリースされたモデル。
α7RIIと同等の有効画素数4240万画素の高画素機である他、像面位相差AFにも対応し先代よりAF速度が向上しています。
レンズキャップをした状態。
ちなみにフィルター径は49mm。
高級コンデジでも機種によってはフィルターの装着には別売りのアクセサリーが必要だったりしますが、この機種に関しては普通に使えます。
正面。
ボディがレンズギリギリのサイズであることがわかります。
背面。
ボタン類はαシリーズと似たレイアウトになっていますが、再生ボタンの位置などが違うので押し間違えることも。
上部の操作系。
ここもαシリーズに似た作りになっています。
露出補正ダイアルやモードダイアルのほか、C1ボタンがあり好きな機能を割り当てることが可能です。
自分の場合はメイン機と同じくAFモードの設定を割り当てて使っています。
レリーズボタンが昔ながらのネジ穴付きのタイプになっているもの地味にありがたいポイント。
スマートフォンと接続してリモートでシャッターを切ることもできますが、ケーブルレリーズを持っているならそれを使ったほうがセッティングがスムーズですからね。
背面液晶はチルト式で可能します。
可動範囲はあまり広くありませんが、ローアングルでの撮影などには十分かなと思います。
レンズはSonnar T* 35mm F2。
FEマウント用にSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAという良く似たレンズがありますが、RX1RIIの物のほうが若干明るく、また最短撮影距離も短くなっています。
レンズ側面にはZeissの銘入り。
ちなみにSONYのZeissレンズをZeiss社が作っていると思っている方をよく見かけますが、実際はSONYが製造しています。
コシナが取り扱うZeissレンズに関しても同様でコシナによる製造です。
鏡筒には先端からフォーカスリング、マクロモードの切り替えリング、絞りリングが並んでいます。
リングはそれぞれ高さや凹凸が変えてあるので、比較的すぐに指先の感覚で区別できるようになります。
先代のモデルにない特徴としてポップアップファインダーがあります。
ボディの脇にあるFINDERと書かれたレバーを引き下げるとシュッと飛び出す仕組み。接眼部も自動で展開します。
小さいので見辛いんじゃないかと心配していましたが、実際覗いてみると想像以上に広々と見えますね。
さすがにメインで使っているα7RIIIのファインダーと比べると解像度が低いのがわかりますが、これだけコンパクトでこれだけ見えるなら充分かなと感じます。
明るさなども忠実に見えるので、マニュアル露出時も覗きながら設定を操作しやすいです。
バッテリーとSDカードスロットは底面に設けられています。
カードスロットはSONYお得意のSDカード・メモリースティック両対応仕様。
でも写真を撮っている人でメモリースティックを使っている人なんているんでしょうかね…?
バッテリーはNP-BX1と呼ばれる、SONYのコンデジで幅広く使われているバッテリーが採用されています。
良く言えば互換性が高いですが、悪く言えば下位モデルと共通なので容量が少ないです。
充電器はケースのような作りになっているので携帯性も良さそう。
端子がMicro-Bなのがちょっと時代遅れ感ありますね…。
バッテリー1つだと足らないと思ったので、予備でもう1つ購入しておきました。
外観などに関するところはこんな感じでしょうか。
本当は色々作例を撮りためてからアップしようと思ったんですが、コロナのせいで撮影にいけないので近場などで撮って写真を載せておきます。
Zeiss系のレンズの色乗りの良さのお陰か、青空が特に青く写る気がしますね。
手元に同じく35mm相当のコンデジX100があるので、同条件で撮影して画質を比較してみました。
絞り開放での描写。
1枚目がRX1RII、2枚目がX100です。
微妙に明るさが違いますが、おそらくX100の特性によるものなのかな…?と思います。
(海外のレビュアーによるとX100シリーズはサニー16のルールで撮ると適正露出にならないんだとか)
やはりフルサイズのRX1RIIのほうがボケが大きいことがわかりますね。
拡大図。
X100も多少ボケていますが、単純な被写界深度によるものだけでなく、X100特有の開放で撮った時の滲みも含まれている気がします。
今度はF11まで絞り、iso感度を上げて試してみました。
1枚目がRX1RII、2枚目がX100です。
拡大図。
X100の等倍に合わせてた大きさにRX1RIIも拡大しています。
それぞれ等倍で見るとノイズの感じは大体同じかなと思いますが、サイズを合わせてあげると解像度が高いRX1RIIはノイズが小さくなるので目立たなくなりますね。
ただX100のほうがコントラストが高いのか、どちらが遠目で見たときにどちらがしゃっきりしているかというとX100のほうがしゃっきり感があるように感じます。
以下、実際にRX1RIIを触ってみて感じた良いポイント・悪いポイントをまとめてみました。
RX1RIIの良いポイント
・フルサイズとは思えないコンパクトさ
フルサイズのセンサーを搭載していながら、マイクロフォーサーズのミラーレス機と変わりないぐらいにコンパクトなサイズに収められています。
普段使いのバッグに入れて気軽に持ち歩けるのが最大のポイントなのではないでしょうか。
・高解像度である
4240万画素の高解像度のお陰で、本格的な撮影にはもちろん、大胆にトリミングする目的でも便利です。
・ファインダーがあるので集中してフレーミングできる
ポップアップ式のファインダーが設けられているので、明るい屋外などでもしっかり確認してフレーミングできるのも良い点です。
・メイン機とストロボが共通
メインのデジタルカメラはα7RIIIを使っているため、ストロボなどのアクセサリーを使い回せるのは便利です。
・レリーズ穴がある
レリーズボタンにネジ穴が設けられているため、フィルムカメラ用のケーブルレリーズを使い回すことができます。
・意外と動画も悪くない
さすがSONYだけあって動画のAFはスムーズ。
迷ってフォーカスが前後したりせず、合わせにくい状況でもゆっくり確実に合わせにいくので不自然になりませんでした。
RX1RIIの悪いポイント
・AFが怪しい
像面位相差とは言え一昔前のセンサーと処理エンジンのためか、薄暗い場所では迷ったり、ピントが来ていないことがしばしばありました。
これによってせっかくの解像度が活かされていないことも…。
コンティニュアスAFに関しても、現行のミラーレスなどと比べるとあまりぴっちり追従してくれる感じではありませんね。
・センサーの性能にレンズが追いついていないような…?
ほぼ同じ性能のセンサーを搭載するα7RIIIにSIGMAレンズなどを付けた時と比べると、大きく拡大した時のシャープさで劣るように感じます。
(レンズが小さいので当たり前といえば当たり前ですが…)
・ホールド感が悪い
一番の問題。
握れるスペースがかなり狭いため、ホールド感は最悪です…。
握りづらいので片手で撮れば簡単に手振れしますし、取り落してしまいそうでちょっと不安も感じます。
・操作性は良くない
設けられているボタンの機能はそれほど悪くないと思うのですが、前述した握りづらさがあるのでボタンも押しにくいです。
ボタンがグニグニしてるのもあまり好きではありませんね…。
それからレリーズボタンのストロークが意外に深く、どこまで押すとシャッターが切れるのかわかりにくいのも気になります。
・内蔵ストロボがない
GRIIIもそうでしたが、先代のモデルでは搭載されていた内蔵ストロボがなくなってしまいました。
表現の一つとしてストロボを直射したい時もあるので、気軽に使えないのは残念です。
・バッテリーの持ちが悪い
本当にあれよあれよとバッテリーが減っていきます。
さらに自然放電も早く感じます。X100は数ヵ月放置していてもほとんどバッテリーが減っていないんですが、RX1RIIに関しては1週間触っていないだけで1目盛りは減っています。
・あまりデザインは良くない
コンデジらしいシンプルなボディに、巨大なレンズがドカンと付いているだけの外見なので、正直あまりデザインは良くありません。
・社外製アクセサリーがほとんど手に入らない
元々流通している台数が少ない機種であることに加え、発売から4年経っているため社外製のアクセサリーがほとんど売られていません。
外付けのグリップが欲しかったのですが、クオリティが高いものはほとんど販売終了してしまっていました…。
・データが重い
4240万画素もあるためSDカードへの書き込みが遅く、書き込み中は再生やドライブモードの変更などの操作ができません。
そのため少しテンポが悪く感じることがしばしば。
SONYのカメラはjpegを小さいサイズ(解像度)で保存できても、rawに関しては最大サイズでしか保存できません。
そのため日常のとりとめのない内容の写真でも1枚40MBもの容量を取ってしまいます。
・rawでクロップ撮影できない
Leica QやRICOH GRはrawで撮影した際も35mm相当・50mm相当のクロップが可能ですが、RX1RIIではrawで撮影する場合クロップは使えません。
高解像度なので後からトリミングすればいいんですが、撮影した時の意図を忘れてしまうので不便を感じます。
良いポイント・悪いポイントに関してはこんなところでしょうか。
高級コンデジの選択というのは難しいもので、どの機種も一長一短なところが大きくなかなかこれだ!というものがないんですよね。
このカメラを買った時もLeica Qかこちらかでかなり悩んでRX1RIIにしました。
ただこの選択が正しかったのかはまだハッキリしないところではあります…。
とりあえずコロナが明けたら持ち出して色々試してみようと思います。
ではでは。