こんばんみ。
Nikonのティルトシフトレンズを購入しました。
先日、よく行く横浜の中古カメラ店で偶然並んでいたNikonのティルトシフトレンズを発見。
勢いで買ってしまいました。
カメラなどが好きな方ならご存じかと思いますが、ティルトシフトレンズはティルト(レンズを傾ける)とシフト(レンズをずらす)の操作ができるギミックが備わったレンズで、これらの操作によってピント面を斜めにしてピントが合う範囲をコントロールしたり、パースをコントロールすることができます。
こういった特徴から主に建築やインテリア、物撮りなどに使用されるレンズです。
ティルトシフトレンズは広角・標準・中望遠の物がNikon・Canonなどから発売されていますが、個人的に特に欲しいと思っていたの中望遠の物です。
物撮りの腕を上げるためにこれを使って練習したかったのと、ブログ用の撮影にも使えるのでなかなか実用的なんじゃないかと考えていました。
店頭で発見したのはNikonの「PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D」というレンズ。
現行のモデルは「PC-E」と付くので、これは1つ型落ちのモデルですね。
最初は中古の多いCanonで考えていましたが、最近F3を買ったしNikonのレンズで揃えていくのもありかも?なんて考えもあったり。
よくよく調べてみるとは最大撮影倍率0.5なのでなかなか寄れるようです。
α7RIIIならAPS-Cクロップが使えるので、もっとクローズアップしたい時はそれを使えば結構なんとかなるんじゃなかろうか?
ということで購入に至りました。
これが今回購入した「PC Micro-Nikkor 85mm f/2.8D」です。
フォーカスリングと絞りリング。
ティルトシフトレンズの性質上、オートフォーカスには対応していません。
ただ、幅広なフォーカスリングは程良い重さで精密なマニュアルフォーカスもしやすいです。
フォーカスリングと絞りリングが少しだけ径を変えてあるのも、ファインダーから目を離さずに操作するのに一役買っています。
シフト操作のノブと目盛り。
反対側にあるロックを緩めることで、シフト操作が可能になります。
ノブを回したぶんだけ動くので、かなり精密に操作ができます。
ティルト操作のノブと目盛り。
こちらもシフトと同じく反対側にロックがあります。
ティルトとシフトの可動する方向は、切り替えスイッチを引き下げながらレンズを回すことで操作することができます。
ティルトのノブの近くにある丸い物は絞りプレビューボタン。
押すとボタンがぴょこっと飛び出します。
絞りプレビューというと作動させると絞った状態になりそうなイメージですが、このレンズは逆でボタンを押して飛び出した状態にすると絞り開放になります。
ピント合わせを行う時はボタンが飛び出した状態(開放)で行い、いざ撮影するときはボタンを戻して絞る…という感じで使うわけです。
ティルトとシフトの可動方向は互い違いになっていますが、メーカーに依頼することで同一方向に動くように改造してもらうこともできるそうです。
おそらくこのネジ止めされている部分を外して90°向きを変えれば自分でもできるのかな?
必要になったら検討しようと思います。
本来使う予定はありませんでしたが、NikonのレンズなのでNikon F3に付けてみました。
カメラが小さめなのでレンズの大きさが際立ちます。
フィルムの一眼レフでティルトシフトを使いこなすのはなかなか大変そうですね。
本来の目的であるα7RIIIに付けた様子。
マウントアダプターを噛ませてあるので全長が長くなります。
ティルトとシフトを可動させた状態。
ミラーレスで使用するとファインダーでも背面液晶でも拡大表示できるので、かなりピント合わせがしやすいはずです。
ティルトの可動範囲。
大判カメラなどと比べるとかなり控えめですが、シャインプルーフの原理によりレンズの見た目以上にピント面は角度がつきます。
(シャインプルーフの原理についてはWikiを見てみてください)
シフトの可動範囲はこんな感じです。
以下はせっかくなので小物を使って試し撮りしてみました。
写真は下方向にシフト(フォール)した状態で、ボトルがまっすぐに写るように撮影したもの。
ボトルにパースはついていませんが、撮影しているカメラは比較的高い位置にあるためカメラの軍艦部やスツールの座面が見えています。
今度は上方向にシフト(ライズ)した状態で、ボトルがまっすぐに見えるように撮影したもの。
撮影しているカメラは低い位置にあるため、カメラの軍艦部やスツールの座面は見えなくなりました。
使い方次第で色々な見せ方ができます。
F8ぐらいで普通に撮影したもの。ハチのマークあたりにピントを合わせています。
90mmのレンズなので、F8でも被写界深度はそこそこ浅いです。
同じ絞り値のままティルトして撮影したもの。
ピント面が斜めになっているため、ボトルのラベルの広い範囲がシャープに見えるようになりました。
こちらは逆ティルトで撮影したもの。
今度はピントが合っている範囲を非常に狭くできました。
カメラを被写体にして試し撮り。
ティルトして撮っているので、広い範囲にピントが合っていると思います。
ちなみにこんな感じで撮影しました。
レフに透過させてやわらかい感じの光にしています。
やや古めのレンズであるため、若干色にじみは出ていますが拡大しなければほぼ目立たないのではないかと思います。
現行ですと「PC-E」というモデルにリニューアルされていますが、お値段を考えるとアマチュアが使うぶんには型落ちの「PC」で十分な性能だと思います。
古い一眼レフで使いこなすのはある程度慣れが必要かもしれませんが、ミラーレスやライブビューが使える一眼レフなら拡大表示して細かくピント調節ができるので使い勝手は悪くないと思いますよ。
ホテルなどの撮影用に広角のティルトシフトレンズも欲しくなってきてしまいました…(笑)
特殊なレンズであるがゆえに流通している数が少なくやや手に入れにくいですが、気になる方は中古で探してみてはいかがでしょうか。