こんばんみ。
先日フィルムスキャン用にCanonのフラットベッドスキャナーを購入しました。
購入したのは中古のCanoscan 9000F MarkII。
フィルムスキャナーと言ってもいろいろ機種がありますが、35mm・中判フィルムが使えて、紙焼き写真も使えて、付属ソフトもそこそこしっかりしていて、それでいて値段も手頃ということでこれをチョイスしました。
コンシューマ向けのフラッドベッドスキャナーの場合EPSONのGT-X980が最上位のようですが、6万前後するのでちょっとまだ手が出ないかなーといった感じです。
フラットベッドスキャナーってなんぞや、と思う人もいるかもしれませんが、要するに会社やコンビニにある複合機のスキャナー部分のようなものです。
ガラスの原稿台の上にスキャンしたい原稿を置いてスイッチを入れると、ガラスの下で光源とセンサーがついた機械が動いて原稿をなぞってスキャンします。
コンビニの複合機なんかを想像すると、フィルムみたいな小さなものを精細にスキャンできるの?と思うかもしれませんが、フィルム対応を謳っているものは狭い範囲を高解像度でスキャンする機能を備えていたりします。
フラットベッドではないフィルム専用のスキャナーもありますが、フラットベッドだとカタログとか雑誌の見たいページをスキャンしてiPadに入れるのに使えそうだなーという理由もあってこれを選びました。
上のようなフィルムホルダーというパーツが付属しており、ここにフィルムをセットし、原稿台にのせてスキャンすることで取り込める仕組み。
ホルダーはパカっと開いてフィルムを固定できます。
スキャナー本体には色々ボタンがついていて、ちょっとした書類のスキャンなどはワンタッチでできるのですが、フィルムのスキャンはPCにインストールしたScanGearというソフトを使用して行うようになっています。
以前記事でもご紹介した通り、自分はEOS 5D MarkIVにマクロレンズを付けてスライドコピーしていたのですが、まぁめんどくさいことめんどくさいこと。
かなり精細にスキャンできるのはいいんですが、1枚撮るたびに位置を調節するのは手間ですし、クリップオンストロボを光源にしてるので途中で電池が切れてしまうことも。
取り込んだ後も1枚1枚色を直していくのはかなり時間がかかる作業でした。
さて、届いた9000F MarkIIを早速使ってみたのですが、なんと簡単なことか。
フィルムホルダーにセットした12コマのフィルムを自動で連続でスキャンしてくれますし、ネガフィルムでも自動で色を補正し、こだわらなければそのまま使えるレベルの色に仕上げてくれます。
こだわるならtifで出力してLightroomで微調整すれば良さそうですね。
実際スキャンした写真がこちら。
スキャンして他のソフトで触ってない状態です。
ちょっとマゼンタがかっていて完璧な色ではありませんが、ネガをPhotoshopなどで1コマ1コマこのぐらいの色まで直すのって結構面倒なので、自動でやってくれるのはとってもありがたいです。
ただ、ちょっと気になったのが色じゃなくて画質。
上の写真は左が以前カメラを使って手作業でスライドコピーした写真で、右が9000F MarkIIでスキャンした写真です。
色や傾きが違うのは置いておいて、これをグッと拡大すると…。
どうでしょう?
レコードショップの旗を拡大したのですが、カメラを使ったスライドコピー(左)だと布にプリントされた字がくっきり見えていますが、9000F MarkII(右)だとぼや〜っとしていますよね。
初めてフィルムをスライドコピーした時は、こんな小さなフィルムでここまで精細に写るのか!と感動したものですが、正直このスキャナーだとその時のような感動は感じないかな…。
どうやら9000F MarkIIのセンサーはガラス面あたりにピントがきており、フィルムホルダーを使うと若干ピントがズレてしまうんだとか。またフィルムホルダーもそこまでしっかりした作りではないのでビシッとフィルムが平らにならないようで、それが原因でシャープな画にならないようです。
EPSON GT-X980だとそのへんが考慮されており、ガラス面とフィルムホルダーに合わせた2つのセンサーを搭載し、フィルムホルダーもアンチニュートンリングのアクリル板に押し付ける構造なのでピタッと平らになるんだとか。
やっぱり最上位機種は違いますね。欲しいけどContax G2も買わないといけないので当分我慢です。
あと9000F MarkIIを使っていてちょっと気になったのが、ScanGearを使ってスキャンする時、暗すぎる写真だとコマとして認識されないという問題です。
花火を撮った時の写真など、被写体の周りが真っ暗な写真だとコマの境界が認識できないらしく、自動検出してくれないことがありました。
一応手動でクロップする設定もできるのですが、荒いプリスキャンを見て範囲指定するのはちょっとやりづらかったです。Photoshopのように周りに定規を出したりガイド線をひければいいんですが、そういうのが一切ないので目分量みたいな感じです。
画質の問題と、暗い写真は手動でクロップしなくてはいけない問題はありますが、それ以外に関してはなかなか使いやすいんじゃないかな?と思います。
4800dpiの設定で取り込んだ場合、12コマのスキャンで約45分前後かかるので結構時間はかかりますが、その間何も操作する必要はないので別の作業の片手間にやってもOKです。
最近は現像時にデータ化してスマホに写真を送ってくれるサービスもあったり、スキャナーはおろかPCすらなくてもフィルムをデジタル化できるようになりましたが、画像の小ささや色・露出などの面でこだわる人はやはり満足できないハズです。
そういった人はこのようなスキャナーが手元にあると便利です。
今回自分は予算や用途の都合でCanoscan 9000F MarkIIを購入しましたが、予算に余裕があるならやはりEPSON GT-X980やフィルム専用スキャナーのOpticFilm 8200i Aiが良いと思いますヨ。
ではでは。