こんばんみ。
フィルムスキャンと物撮り用にマクロレンズを購入しました。
実は最近、ネガフィルムをポジ反転させるのに非常に良いソフトを見つけてしまったんですよね。
ネガフィルムのデータ化は長らくCanoscan 9000F MarkIIというフラットベッドスキャナーを使ってきましたが、マクロレンズを使って高解像度のカメラでデュープするのと比べるとかなり画質で劣るものでした。
ただ一枚一枚デュープするとポジ反転させるのが非常に手間&思い通りの色にならないことが多く、サクッと使える色に反転させてくれる9000F MarkIIに頼らざるをえなかったんです。
ところが、この新たに見つけてしまったソフトはLightroom Classicの拡張機能として動作し、非常に簡単に、しかもフロンティアやノーリツの業務用機でデータ化したかのようなイイ感じに味付けした色合いで出力してくれるという魔法のアイテムだったんです。
となるともう9000F MarkIIに用はありません。高解像度なα7RIIIでデュープしてこのソフトで編集すれば、フィルムのポテンシャルをフルに活かしたままデータにできる…!
そんなこんなで35mm判のフィルムをガッツリ大写しにできるよう、等倍マクロのレンズ「SIGMA Art 70mm F2.8 DG MACRO」を購入しました。
このレンズは10年以上前に発売されていた「MACRO 70mm F2.8 EX DG」というレンズの後継機種という位置づけのよう。
ロングランのマクロレンズと言えばTAMRONの90mmも有名ですが、TAMRONは柔らかなボケが特徴であるのに対し、こちらはシャープさが特徴的なレンズだそうです。
ちなみに等倍マクロって何?って話ですが、簡単に言うと被写体をそのままの大きさでセンサー面に投影できるマクロレンズということです。
今回自分の場合、35mm判のフィルムを35mm判のデジタルカメラで撮影したいわけです。
普通のレンズであればあまり寄れないのでフィルムが画面に対して小さく写ってしまいますが、等倍マクロの場合そのままの大きさでセンサーに投影できるので、35mm判のフィルムが35mm判のセンサーに対していっぱいいっぱいのサイズで撮影できるということです。
もちろんフィルムスキャン用途以外にも使用予定で、特に物撮りやブログ用の撮影に活躍してくれそうです。
ブログ用に小さい物や機材のディテールなどを撮る時、寄れないのでAPS-Cモードにしてクロップしたり、Lightroomでガッツリとトリミングすることも多かったですが、このレンズならその必要もなさそうです。
(まぁブログにアップする時は縮小するんで、見た目的にはそれほど変わりませんが…)
サイドに設けられているスイッチ類。
上側にはAF/MFの切り替えスイッチ、下にはフォーカスを操作する範囲を指定できるスイッチがある。
個人的には「MO(SONYで言うところのDMF)」も設けて欲しかったなと思いますね。
AFの動作は一般的なレンズ比べると遅いので、AFしにくい場所に合わせようとするとピントを前後させるのに大幅に時間がかかることがあります。
マクロ以外の用途で撮影する際は、フォーカス範囲を指定するスイッチを活用してあげたほうが迷った時のロスを軽減できます。
意外にもコンティニュアスでも使用可能で、瞳AF・顔認証でも追従してくれます。
普通の中望遠的な用途でも使えなくもないかな?と思いますね。
レンズのフロント側の様子。
他のマクロレンズと同様に前玉は非常に奥まった位置に設けられています。
こちらはリア側。
最近の他のSIGMAレンズと同様にマウント部分にはゴムのシーリングが施されており、防塵防滴に配慮した作りになっていますね。
α7RIIIに装着した様子。
ほっそりしたレンズなので、ミラーレス機につけてもバランス良く見えますね。
握った時の重心もちょうど良く、手になじみます。
フォーカスを近接に持っていくとにゅる~っとレンズが繰り出されます。
そういえば昔、輸入食品を扱っているお店にこんな飴売ってましたよね。回すと繰り出される飴。紫のパッケージのやつです。
繰り出した部分には距離や撮影倍率などが印刷されています。
でもまぁミラーレスで使っている以上、ライブビューで確認しながら撮影するのでここは見ないでしょうね。
付属のフードを装着した様子。
レンズを目一杯繰り出すとフードと同じぐらいの長さになるようになっています。
フレア・ゴースト対策と言うより、繰り出される長さを予め把握し、保護するための役割が主なのかもしれませんね。
外観などに関しては以上です。
早速なので手近にあった物で試し撮りしてみましょう。
ハリボー。
透けて綺麗に見えたりするかな?と思って撮ってみましたが、パッと見何なのかよくわかりませんね。
無反射ガラスの上にハリボーを散らかして、下から先日ご紹介したIwata TechのGP-01で照らしてみました。
やはりLEDのライトって一つあると便利ですね。
ちなみに上の写真は最短よりちょっと引いたあたりで撮影しています。寄ろうと思えばもう少し大きく撮れます。
GRIIIの銘板(?)部分をアップで。
やはり機械を撮影するにも良いですね。
ちなみに上の写真も最短撮影距離ではありません。
限界まで寄るとこんな感じ。
ただここまで寄るとどこを写してるのかわかりにくいですね。
GRIIIのモードダイアル付近。
梨地になっているのがお分かりいただけると思います。
最近全自動コーヒーメーカーを手に入れたので、挽いてないコーヒー豆のあるんですよね。
豆皿にじゃらじゃらっと出して撮ってみました。
やや引き気味で撮影。
おそらく開放だったと思います。
最短まで寄ってF8で撮影。
ここまで寄るとF8でも豆一粒が被写界深度に収まりません。
これは誰でしょう?
そう、BESSA R2Mですね。
BESSAのシャッタースピードダイアルって梨地になってたんですね。気づいてました?
試し撮りは以上です。
実際に使ってみて感じた良いポイント・イマイチなポイントは以下の通りです。
良いポイント
・シャープな画質
「カミソリマクロ」と称されるSIGMAの70mm F2.8ですが、その名の通り確かにシャープな写りでした。
物撮りの際は質感が見せやすいですし、フィルムスキャンでもディテールまで克明に写し取れてとても良さそうです。
・バイワイヤのフォーカスリングがなかなか良い
このレンズは最近のレンズに多いバイワイヤ形式のフォーカスリングを採用しています。
フォーカスリングは内部のレンズと機械的に繋がっておらず、電子制御されています。
これによって特殊な挙動ができるようになっており、同じ量を回す場合でもゆっくり回すとフォーカスの移動が細かくなり、速く回すとフォーカスの移動も大きくなるようになっているようです。
なのでマクロ撮影の際、極薄の被写界深度でも細かなピント調節がしやすかったです。
・コンパクトである
細身でコンパクトなレンズなので、荷物が嵩張らなくて良いです。
重量も570g(Eマウント版)と軽量です。
・手に取りやすい価格
新品でも5万円程度で買えてしまうという、非常に手に取りやすい価格設定です。
マクロ兼中望遠としても活用できるので、まだレンズをあまり持っていない人にぜひ買ってほしい一本ですね。
イマイチなポイント
・フォーカスを近接に持っていくと画角が変わる
繰り出し量が多いマクロレンズなので仕方ないところですが、三脚などに立ててからフォーカスを近接に持っていくとレンズがグングン被写体に近づいていくので、写る範囲もグングン狭くなります。
なので三脚の位置や高さ調節が複数回必要になったり…。
これはマクロレンズ自体の慣れが必要そうですね。
・繰り出したレンズの収納に時間がかかる
フォーカスは電子制御されているため、カメラの電源をオフにすると必ず繰り出されたレンズを収納します。
マクロ撮影で目一杯繰り出していた場合、電源スイッチを切ってから収納する動作に約4秒ほどかかります。
その間にバッテリーを交換しようとしたり、レンズを替えようとしたらどうなってしまうんでしょう…?ちょっと恐いので試したことはないです。
ちょっとしたデメリットもありますが、これは他のマクロレンズにも共通する問題なので仕方ないところではありますね。
マクロレンズって特殊な用途向きに見えるので持っていない人も多いかもしれませんが、物撮りやテーブルフォトなど幅広い用途で活用できるので、ぜひ検討してみて欲しいところです。
撮れる写真の幅が広がると思いますよ。
オマケ
冒頭で出ていたマクロレンズでフィルムスキャンする、というお話。
まだベストなやり方を確立できていませんが、テスト段階でこんな感じです。
※クリックすると大きく見れます
どうでしょう?かなり鮮明じゃありませんか?
ベストなやり方が見つかったら、ソフトと合わせてまたご紹介しようと思います。
ではでは。